FAI報告書の核心的目的
FAIの核心的目的は「1個で全体を代表する」こと、すなわち初回生産部品をサンプルとして、加工工場の工程能力、測定設備、品質管理記録が後続のロットに安定して複製できるかを検証することである。OEMバイヤーおよびTier-1サプライヤーにとって、FAI合格は工程凍結を意味し量産に入ることができる。不合格の場合は工程が未管理であり、手直しまたは再サンプル提出が必要となる。買い手はFAI審査時、これを加工工場の工程成熟度の証拠として捉えるべきであり、単なる寸法レポートではない。
FAI報告書に含めるべき項目
基本識別情報
部品番号、品番、ロット、顧客名、サプライヤー名、報告日、報告番号はすべて必須である。
図面バージョンと規格引用
準拠するエンジニアリング図面バージョン、技術規格、国際規格を明記し、バージョン不一致による紛争を回避する。
材料証明とトレーサビリティ
材料グレード、サプライヤー、材質証明書(MTC)番号を列挙し、買い手指定材料との一致を確保する。
工程と設備記録
使用したCNC機種、加工工程、工具、プログラムバージョンを明記し、工程パラメータのトレーサビリティを支援する。
全寸法測定結果
図面に基づき全寸法の実測値、公差、判定結果を項目ごとに列挙し、重要特性には測定レポートを添付する。
外観および機能検査
表面粗さ、ねじ、穴位置、嵌合寸法などの外観・機能検査結果と判定。
測定設備とトレーサビリティ
使用した測定機器(三次元測定機、投影機など)、校正日、トレーサビリティ番号を明記する。
署名欄
加工工場の品質保証、工程、買い手代表の署名欄を設け、双方が結果に対して責任を負うことを確認する。
買い手がFAI審査で見る一般的な不備
実務上、FAIで最も一般的な不備は寸法不合格ではなく「トレーサビリティの断絶」である。例えば、材料証明書未添付、測定設備の校正期限切れ、図面バージョン未記載、重要特性が全数検査ではなく抜き取り検査のみなどである。もう一つの一般的な問題は「データのみで判定を添付しない」ことであり、買い手が自ら合否を判断する必要があり、コミュニケーションコストが増加する。買い手は受領時にまずトレーサビリティの完全性を確認し、次に寸法データ、最後に署名を確認することで、量産能力のないサプライヤーを迅速に選別できる。
加工工場とFAIフォーマットを取り決める方法
買い手は見積依頼段階で加工工場にFAIテンプレートの提供を要求し、フォーマット(AS9102またはカスタムテンプレートなど)を指定できる。買い手自身にFAIテンプレートがある場合は、RFQに同封し、加工工場が自社フォーマットで提出後に手直しとなる事態を回避すべきである。CNC加工品の場合、重要特性(KPC)には通常、寸法公差、幾何公差(GD&T)、表面粗さが含まれ、これらの項目はFAIに項目ごとに列挙し、省略してはならない。
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